ミック経済研究所によるHRTech市場調査
はじめに
日本では、HRTechの市場を見るとどれだけの規模なのでしょうか。ミック経済研究所はこの市場についての現状と展望について述べてます。
2018年のデータ
下のデータは4つの分野におけるHRTechの市場です。全体としては、250,80億円の市場へと成長しているみたいです。個人的に注目なのは労務管理クラウドです。成長率が他の分野と比べてかなり大きいです。労務管理はできる限り自動化する流れが見えます。今後、より戦略的な部分、データ解析の部分に人事は時間を避くようになるようになるかもしれません。
将来の展望
こちらの予想は2023年にはHRTechは1000億円の市場になるという展望が見えています。どうやら、人事配置クラウドが今後一番大きな市場になるという予想になっています。今後、終身雇用は完璧に崩れ人材の流入流出は活発になると思います。従業員に対するタレントマネジメントがより重要になるということが背景にありそうです。
最後に
データからHRTechの市場がどんどん大きくなると考えられます。そして今後、新規サービスも増えこの分野での競争は激しくなると思います。それにより、サービスの質も高まり、人事業務の効率化がどんどん進むはずです。
Humananalytics101.com
はじめに
今までのHRTechはあまり専門的な内容をしていませんでした。今回シェアするサイトはより専門的な内容を扱っております。英語のサイトになりますが、扱っている内容はとても面白いです。
Humananalytics101.com
プログラミング言語のRを使って、実際にどのようにHRのデータを分析または見える化をすればいいか提案をしています。段階的にわかりやすく説明をしているため、より技術的なHRテクを勉強したい人には、役立つサイトになっています。どうやら2人でサイトを運営しているようです。実際に内容を見てみましょう。
タレントマネジメントに用いるレコメンダシステム
社員の能力を適切に伸ばすタレントマネジメントには、レコメンダシステムが有用であることを提唱しています。レコメンダシステムとは、お勧めする機能です。例えば、YouTubeのお勧め動画がこれにあたります。このレコメンダシステムには3つの分野で有効だそうです。
能力とトレーニング
強みと弱みが似た人材を1つのグループにまとめて、その弱みを克服するまたは強みを伸ばすトレーニングを提案するレコメンダシステムです。例えば、12人の人事の採用が効果的でないことがわかったとします。この、12人をまとめて採用のトレーニングをすることで、具体的に効果的なトレーニングが期待されます。
予測
上のは過去の実績や現在の能力で提案していますが、ビッグデータを用いて未来の予測に対して提案することもできます。例えば、ある人事の新人の採用能力が伸びそうだと予測されます、その予測に応じてトレーニングやキャリアプランを推薦することができます。
好み
従業員にはそれぞれ好みの仕事の分野があります。それぞれの従業員の好みに応じて、トレーニングを提案することで、従業員の能力開発意欲を伸ばすことができます。
例
例えばこれが、従業員を2つに分けて、別々にトレーニングを提案するときの例です。テストを2つ行い、その結果に応じ2つのグループに分けることができます(黒と赤)。両者に別々のプログラムを提案ができます。この場合は簡単な例で、優秀な人と優秀じゃない人の2つに分ける例です。
最後に
専門的なHRデータの分析をする時は、このサイトにいっぱいヒントが書いてありそうです。たくさん図がありますし、データ分析のテクニックを学ぶことができそうです。
日本マイクロソフトのHR Tech
はじめに
実際にHR Techの活用法をみてみたいなと思い、YouTubeでぶらぶらしていたら日本マイクロソフトの動画を見つけました。
データを使った活用法はとても興味深くて、参考になったのでシェアしようと思います。何点かいいなと思ったアイディアをまとめます。
スカイプでのコミュニケーション
スカイプを用いて、仕事のコミュニケーションを行なっております。良い点は、在宅勤務が問題なくできること。もう1つは、仕事とプライベートの時間をしっかり区切ることができるためです。オンラインとオフラインの状態を連絡前に確認できるので、通話ができる相手の状態を確認できオフラインの人には連絡できないようになっています。
業務の見える化
メールの時間、フォーカス時間、会議時間といった時間が画面で見ることができます。また、時間だけでなく業務の質も確認することができるため(会議で内職した時間を見える)、改善点が明確になります。メールにおきましては、自分が送ったメールの既読率や自分が受け取ったメールの既読率を把握できます。それにより、自分のコミュニケーションを反省できます。
その場での意思決定
会議の中でリアルタイムのデータを共有しています。紙は用いません。会議中に必要なデータが話題に上がると、その場で呼び出すことができます。これにより、素早い意思決定が可能になっています。
最後に
マイクロソフトらしいスマートな働き方だと思いました。デジタルを使いコミュニケーションと仕事の効率をあげることは、どの会社も見習うべきだと感じています。
HR techの用語集②
はじめに
前回の続きです。この記事でもたくさんの横文字の言葉を解説していきます。HRとして知っておく単語になり得るものです。
デジタルトランスフォーメーション
ITの浸透が人々の生活をより良いものに変えるという概念です。人事分野も同様にビッグデータなどの新しいIT技術を用いて、デジタルトランスフォーメーションが見込まれています。
デジタルワークプレイス
デジタル技術を用いた多種多様な職場のことです。例えば、インターネットを用いた在宅勤務やパソコン、スマホ、タブレットなどどの通信手段を用いても働ける職場環境のことをいいます。会社文化を考える人事は、職場のデジタル化を進める意識は今後より高まると考えられます。
アジャイルHR
仮説とデータを用いて、小さく組織の実験を行います。これを繰り返すことで、組織を少しずつ進化する人事の手法です。例えば、AチームとBチームを見たときBチームの営業成績が低いとします。データによるとBチームのコミュニケーションに問題が見つかりました。その際、1ヶ月間試用で新しいコミュニケーションツールをBチームに導入します。Bチームの営業成績の変化を実験的に観測します。こういった方法がアジャイルHRです。
タレントレビュー
直属の上司、人事部、経営層がメンバーの課題、強みやキャリアプランなどについて話し合うことです。通常では人事部と経営トップ陣が決める目標や評価基準に対して、各部門の考えがより反映できる利点があります。
リアルタイムフィードバック
プロジェクトの終了後など、その場で上司が部下に対してフィードバックを行うことです。より効果的なフィードバックを行える利点と、社内のコミュニケーションがより活発になることが見込まれます。
エンプロイーエクスペリエンス
従業員が会社で経験することです。仕事に対する満足度、心身の健康、会社の雰囲気の良さ等を包括した考え方です。人事はこれを向上させる努力をしなければいけないです。
最後に
以上で解説を終えます。個人的にはアジャイルHRの考え方が好きです。小さい実験を繰り返し、データをためていく方法は、人事においてとても有効だと共感します。
HR Techの用語集①
はじめに
HR Techはアメリカが最初に積極的に活用してきました。そのため、英語由来の用語が多くあります。そこで簡単にですが、用語の意味をまとめようと思い、この記事を書きます。
従業員エンゲージメント (Engagement)
従業員が会社に対してポジティブに思っているかの度合いです。このエンゲージメントが高いほど、従業員は会社に対して満足しており、やめる確率は低くなります。
ダイレクト・リクルーティング (Direct Recruiting)
SNSなどのプラットフォームで企業側から採用者に連絡を取る方法です。「攻め」の採用手法として知られています。
オウンドメディアリクルーティング (Owned Media Recruiting)
採用ページなどを通じて、人材に直接メッセージを届けるリクルーティング手法。企業文化を伝えることで、その文化とマッチした人材を採用できる可能性が増えます。
インバウンドリクルーティング (Inbound Recruiting)
会社に興味を持ってくれる人に対して有益な情報を送る採用手法。採用者が喜んでもらい応募してもらうようにします。
パフォーマンスマネジメント (Performance Management)
人事部や管理職が従業員と一緒に目標を考え、結果を次の目標設定にフィードバックにします。このような「コーチング」の役割をすることが、パフォーマンスマネジメントです。
ピープルアナリティクス (People Analytics)
人事の意思決定の際に従業員の行動データなど様々なデータを収集、分析することです。AIを用いた取り組みも盛んになってきています。
ギグエコノミー(Gig Economy)
インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方とその経済形態のことです。
最後に
これらの用語はHR Techが広く知られるにつれて、より認知されると考えられます。これからも新しい概念にはアンテナを広げていこうと思います。
ケーススタディ 〜メルク・アンド・カンパニー〜
はじめに
以前あげたre:Workに面白い記事がありましたので、早速紹介します。メルク・アンド・カンパニーという世界的な製薬会社が、どうやってHRデータを使うのかについて話しています。
問題
従業員エンゲージメントについての調査を行っているが、人事の意思決定にあまり役に立っていないです。どのようにこのデータにより意味のあるものにするかが課題です。
解決策
データを広く計測して分析する方法から、優秀なチームを見て学ぶ方法に。
成功例を分析することで、実用性の高い提案を仕事の依頼相手にすることができました。
調査をより透明性の高いものに。
従業員に対して、この調査が意思決定にどう役に立つか、調査の際にしっかり説明しました。そうすることで、従業員がこの調査をより信頼し、考えを発信してくれるため、信ぴょう性の高いデータを得ることができました。
調査依頼の相手とコミュニケーションを密に。
例えば、社内の1つの部署から分析をお願いしてきたとします。その部署の文化を理解するために、話を聞く必要があります。また、依頼者がデータ分析に対して、信頼してくれるようにするため、調査内容と目的を明示しなくてはいけません。
私の感想
当たり前のように聞こえますが、二番目の調査をより透明性の高いものにすることが重要だと思います。例えば、従業員に対して調査を行う際、
「この調査データは社内の分析に使用します。」
だけだと、従業員は少し不気味に感じると思います。
「この従業員の満足度調査データを用いて、最も従業員が満足/不満足に思う労働環境が何か、明確にして解決案を考えたいと思います。」
このように具体的な調査の理由を説明した方が、従業員もしっかり調査に答えます。
最後に
re:Workに載っている記事は実際のシーンなので、リアルな問題と解決策がとても興味深いです。これからも、習慣的にチェックしたいと思います。\
NEC HR Techクラウド
はじめに
4月16日にNECソリューションイノベータがクラウドベースの人事サービスの提供を開始しました。
HR Techファンとしては、楽しみなサービスの発表です!
www.nec-solutioninnovators.co.jp
特徴
主に3つの役割があるみたいです。
- 適正配置機能
最適な要員配置を提案する機能。突然の社員の離職時などで急速に対応できると見込まれます。
- 研修提案・効果判断機能
どのような研修を行えばいいか、どの社員に対して研修を受講させればいいか判断する機能。
- リテンション支援機能
会社を辞めそうな人を察知する機能。
気になること
少し画像でみる限り、UIが洗練されてない気がします。あと、OSはWIndowsしか対応していないです。双方ともこれからのアップデート次第ですが。
会社の人事データを参考にすると書いてありますが、実際に検討するデータの要素が何かが気になります。
最後に
このサービスを使って、ブラックボックス化されたAIの提案を信用できるかですね。私は、AIの計算で出る人事支援の賛成派なので、機会があればこのサービスを使ってみたいです。